2013年11月16日土曜日

寺山めぐり&白銀坂下り編

11月は寺山公園遊歩道を楽しんでからの、吉野側から白銀坂を一気に下りました!

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鹿児島中央駅~寺山自然遊歩道
鹿児島中央駅から南国交通バスに乗り30分程、三州原学園前で下車。10分ほど歩くと寺山自然遊歩道の入り口があります。
遊歩道は意外と深い森の中を通ります。


 



















寺山炭窯跡
霧島錦江湾国立公園の一部をなす寺山自然遊歩道。標高の割に高低差が少なく、手軽に山中の散歩を楽しめますが、その入り口付近にある史跡「寺山炭窯跡」も注目してほしいところ。
ここでは島津斉彬によって展開された集成館事業(日本初の洋式産業群)のため、動力源である木炭を製造していました。
近代日本の飛躍的な発展の源流とも言える施設であり、「明治日本の産業革命遺産」の構成資産として、世界文化遺産への推薦が決まっています。まだまだ知名度の低いところではありますが、今後客足が増えるのは必死。先取りして今のうちに訪れてみてはいかがでしょう。

















水道設備跡
南洲翁開墾地碑の程近く、水道設備と思わしき石造りの建物があります。
苔が蒸しに蒸して色鮮やかです。朝方の張り詰めた空気によく似合っておりました。寺山遊歩道は、歩道以外はおおむね草木に覆われており、清涼な空間を楽しめます。但し、滑りやすいので足元にはご注意を!歩きやすい靴で挑みましょう。
























南洲翁開墾地碑
西郷南洲翁開墾碑は、寺山自然遊歩道に沿ったところにあり、題字は元帥東郷平八郎の書です。明治6年西郷隆盛は征韓論に敗れて帰郷した時、彼を慕って帰ってきた青年等のために、明治7年6月視私学校を設立し、翌8年4月には寺山に吉野開墾社(私学校の分校)を設立しました。この開墾社では約50人を収容し、昼間は荒地を開き、夜間は学問に励んだそうです。
県庁から39ヘクタールの開墾地を得て、開墾が成功した暁には、次は出水の大野原を開墾する予定でしたが、4ヘクタールほど開墾したところで西南戦争が始まり、志半ばで終わってしまいました。
なお、そのそばには、寺山炭窯跡が1基現存していますが、当初は3基あったそうで、この開墾地碑が建設されたとき破壊されたといわれています。この炭窯跡は世界文化遺産として推薦される「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」の産業遺産群のひとつとして位置づけられており、なぜ2基壊したのかわかっていません。(鹿児島市教育委員会発行の資料を参考)
























寺山自然遊歩道を抜けて車道をまた10数分歩くと、寺山公園に着きます。公園とはいいつつも展望所しかありません。近隣の寺山ふれあい公園とお間違えないように。でもこれが絶景!

寺山公園展望台
大変わかりやすいいい眺め。
正面には桜島が、眼下には水面が、背後には風力発電があり、写真をたくさん撮ってしまう。
駐車場もきちんとあり、遊歩道やデッキも整備されていて使いやすい。
今回は10時ころだったけど、早朝や夕方や夜など、時間帯を変えて訪れてみたら、また違う景色が楽しめそう。
















 寺山散策の後は、本日のメイン「白銀坂下り」です。寺山公園から白銀坂入り口はタクシーで10数分。ここはタクシーか自家用車が必須です・・・

白銀坂①
白銀坂は古くは鹿児島の主要街道であった「大口筋」の一部で、難所として有名だったそうです。
明治時代に国道10号線となる錦江湾沿いの道ができたこと、また鉄道が開通したことで利用されなくなりました。
現在残っているのは鹿児島市牟礼が丘~姶良市重富の約2.7kmです。勾配のある場所や曲がりくねった場所などもあり、いかにも山越えの坂道という雰囲気です。
今回は楽をして下りコース。途中JTの森や布引の滝に立ち寄りましたが、90分弱くらいは必要かもしれません。

















白銀坂②
白銀坂はそのほとんどの行程に石畳が敷かれていますが、これが膝に堪える・・・
人が歩くだけでも大変ですが、往時には荷を持った人々も行き来していたことを考えると、相当な難所だったことがうかがえます。
しかし、いたるところで山の草花の美しさが歩く人を励ましてくれます。
この日はツワブキの黄色い花が所々に咲いていました。















布引の滝
白銀坂の途中にある滝です。石畳の道から、木造の道に入り階段を登ると、目の前に立派な滝が見えてきます。滝つぼのすぐ近くまで行くことができ、ひんやりとした空間でした。歴史ある石畳を歩きながら、心地よい自然を満喫しつつ、日ごろの運動不足を反省した秋の一日となりました。






















重富駅
白銀坂を重富側へ下りきれば、そこから歩いてほんの10分弱でJR重富駅があります。
たくさん歩いたあとはJRに揺られて一息つきながら鹿児島市へ。 















朝8時に鹿児島中央駅を出発して、再び鹿児島駅に帰り着いたのは13時くらいでした。
バスを使ってJRも使って、そしてたくさん歩きました。(少しタクシーも・・・)
車で行って帰ってくるのではなく、たまにはこんな休日もいかがでしょうか。