皆さまご存知、「茶摘み」という唱歌の一説ですね。
京都における初夏の茶摘みの光景を歌ったもので、新緑の茶畑や新茶は夏の風物詩でもあります。
全国的には静岡茶や宇治茶などが有名ですが、ここ鹿児島は静岡に次ぐお茶の生産地であり、荒茶(製茶として選別・ブレンドされる前の茶葉)の生産量は日本全体の約4分の1を占めるそうです。
主な産地としては、知覧をはじめとする南薩地方が中心ですが、鹿児島市の松元地区でも広大なシラス台地を活かし、お茶の生産が行われています。
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そんな松元茶を身近に楽しんでもらおうと、今年の3月にオープンしたのが「都市農村交流センター お茶の里」です。
直売所で新鮮かつ安全な農産物を購入したり、旬の食材を使ったバイキング形式の食事も楽しむことができます。
隣接の敷地には綺麗な公園も整備され、まさに地元に密着したフードパークです!
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そんな「お茶の里」の目玉の一つが、お茶の手揉み体験。
現在では荒茶の製造工程のほとんどが機械化されているそうですが、ここでは昔ながらの手揉みによるお茶の葉を作ることができます。
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そんな話を聞きつけ、「揉むことなら任せろ!」とばかりに集まった漢が6人。
我々、茶揉み名人を目指します。
ということで、今月のまちあるきは「都市農村交流センター お茶の里」から、茶揉み体験をお届けします!
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会場はこちらのお部屋。
最近オープンしただけあって、とても綺麗。
おしゃれキッチンですね!料理男子にピッタリ?
皆が向き合っている、こちらの流し台のようなもの。
これは焙炉(ほいろ)と呼ばれるもので、茶葉を40~50度ほどの熱で乾燥させながら、手揉みの工程を行うための作業台です。
一見、なんてことのない機械ですが、これが後に我々を苦しめることになります…。
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今回、お世話になるのは茶手もみ保存会の方々。
手揉みの技術と文化を後世に伝えるため、ワークショップなどを多数開催しているそうです。
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使用するお茶の葉はこちら。
もちろん、地元産の「松元茶」です。
茶葉をよく見てみると、一定の加工が施されています。
どうやら、我々が行うのは仕上げに差し掛かる部分のよう。
新鮮な茶の葉は、さぞかし芳醇な香りがするのだろう…と思いきや、意外と匂いはしません。
触ってみると、ほんのり湿っているのが分かります。
早速、茶葉を焙炉の上に広げ、茶揉み体験スタート!
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1 揉み切り
まず、揉み切りの過程では、茶葉を両手ですくうように持ち上げ、茶葉を擦り合わせるようにして揉んでいきます。
こうすることで、茶葉を細く縒り、一定の長さに切ることができるそう。
また、茶葉の水分を揉み出し、乾燥させる効果もあるようです。
我々も名人に教わりながら挑戦します。
コツは中指の力を抜き、人差し指と小指で切ること!
一見、簡単な作業に見えますが、これが意外と難しい…。
とにかく、「切る」感覚が分からないのです。
名人のアドバイスに頷きながらも、メンバーの頭には「?」が浮かびます。
そんな状況のなか、「(コツを)掴んだ!」と豪語するメンバーもいましたが、気のせいだった様子。
茶葉は水分を残しているため、逆に団子状になってしまうことも。
茶揉み名人への道は遠い…。
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2 艶出し
次の工程は、茶葉の向きを揃えて両手で包み、手を焙炉の上に寝かせて構え、前に押し出すように揉み込みます。
茶葉が一定方向に回転し、擦り合わされることで、香りや艶が引き出されるそうです。
いざ実践してみると、先ほどの「揉み切り」よりは簡単な様子。
手順とリズムさえ覚えてしまえば、それほど困難な作業ではありません。
ただし…、
暑さを除けば!
いよいよ焙炉も暖まり(というか熱いです)、近くで作業をしていると汗がたらり。
タオルで拭きつつ作業を進めますが、追いつくはずもなく。
ぽたり、ぽたりと、漢たちの汗が茶葉にブレンドされていきます。
作業する手も、手際よく行わなければ火傷は必至。
これは参ったと、メンバーにも思わず笑みがこぼれます。
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3 仕上げ
茶揉みの最後は、「仕上げ」の工程。
茶葉の長さを切りそろえ、最後の艶出しを行っていきます。
ここでの我々の役目は…、名人に全てお任せして、見守ることのみ!
そう、見守ることのみ!
名人、(我々の尻拭い)ありがとうございます!
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4 乾燥
全ての手揉みの工程を終えた茶葉は、一か所にかき集め…
こちらの機械に入れて乾燥させます。
あとはひたすら待つだけ。所要時間はおよそ1時間ほど。
ちょうどお昼時なので、昼食をとりながら気長に待つことにしましょう。
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5 大人気バイキング
お茶の里の目玉の一つ、「はるやま農園食堂 お茶の花」。
地元農産物たっぷりのバイキングが待っています!
お昼時ということもあり、店内は満員!
休日は予約していくことをオススメします。
メインは茶葉の衣を纏った天ぷら!
とても丁寧に揚げられており、サクサクとした触感がたまりません。
茶葉のおかげか油のしつこさを感じることもなく、軽~く食べられてしまいます。
「ぅ、美味い!」
魔法にかけられたように、箸が止まらないメンバーも。
食事→デザート→食事→デザートの2回転で美味しく頂きました!
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5 包装
たらふく食事を済ませ、作業場に戻ると、ふわっと薫るお茶の匂い。
乾燥によって増幅された茶葉の香りが、部屋中に充満していました!
食後にお茶を飲んだときの、あのホッとする感じが全身を包み込みます。
乾燥させた茶葉は一度焙炉の上に戻し、パックの中に詰めていきます。
三人一組で作業をしましたが、出来上がりは一人あたり2パックほどになります。
最後にしっかりと封をして…
じゃん!漢の手もみ新茶、完成です!
もちろん、作ったお茶はお土産として持ち帰れます♪
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今回のまちあるきは、これにて終了!
お茶の作り方など露知らず、軽い気持ちで参加した茶揉み体験でしたが、これは想像以上に大変でした…。
一杯のお茶にも、先人の知恵と苦労が詰まっているのですね。
家に帰って入れたお茶は、(どこかしょっぱい気がするけれど)とても美味しかったです。
皆さんも体験してみては?お茶に対する考えが変わるかもしれません。
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