2014年4月5日土曜日

医福食農の連携を考える~まちあるき特別編~

4月のまちあるきは鹿児島市を飛び出し、大隅半島へ。
南大隅町にある「花の木農場」を視察します。

この農場では、障害のある方が農作業に携わりながら、社会参加や自立を目指しているとのこと。
視察を通して、農業や福祉などの連携について考えてみたいと思います。

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鹿児島市街から花の木農場までは、フェリーと車を使って2時間ほど。
車窓からは錦江湾を臨み、美しい景色が広がります。

視察まで時間の余裕があったので、少し寄り道をしてみました。

荒平天神

 菅原道真公が祀られた由緒ある神社です。
四方を海に囲まれ、島までは砂州の参道が続きます。
満潮時には渡ることができないようですが、海に浮かぶ鳥居と島の光景も絶景だとか。
寄り道にしては、大変贅沢な場所でございました。

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花の木農場


フェリー乗り場から1時間ほど車を走らせ、花の木農場に到着。

ここからは農場スタッフの方の説明を受けながら、農場内を見学していきます。

途中でヤギさんもこんにちは。

 約1時間の見学後、食事へ。

農場内で育てた農畜産物を、手ごろな価格で味わえます。
特に農園の豚肉を使ったトンカツは柔らかく、とてもジューシー。

 ごちそうさまでした。


食事後は理事長との意見交換会に臨み、様々なお話を聞くことができました。
最後に記念写真をパチリ。


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ここからは、参加者各人が視察の感想や農園内の見どころを紹介します。


花の木農場には、様々な芸術性にとむモニュメントが点在しています。スタッフと利用者の方々が制作されたものもあれば、県内各所でその作品を見かけるような高名な先生によるものもあり、園内を散策するだけでも、興味深く充実した時間を過ごせます。
独特な世界観に唸らせられること、間違いなしです!
観光客の受け入れ体制等の整備の余地もあり、また、新たなプロジェクトも進んでいるとのことで、これから観光的価値の更なる向上が期待されるところです!

この茶畑は花の木農場で農業に従事する方々が寝る間を惜しんで作り上げたものです。
障害を持った人に対する本当の支援とはどのようなものでしょうか。
お金を出すこと?優しく接すること?寄り添い側にいてあげること?
皆さんはどう考えますか?
私は、何か夢中になれることや一生懸命になれる場所を提供することだと感じました。
夢の中に出てくるぐらい一生懸命目の前のことに取り組める人間になりたいものです。

後日、某養護学校の先生に聞いたところ、鹿児島県内の一般企業への就職者は卒業生の1割満たないようです。花の木農場の敷地内に突如現れたオブジェ「大空へ」は福祉と農業の融合に力を注ぐ理事長の歩みと今後への思いが込められていました。
異なる分野でも、うまく反応しあえる点をもっと見つけてみたいです!!

農業と福祉の融合に先進的に取り組む花の木農場を視察させていただきました。
鹿児島市の政策に何か生かせることはないかと思いましたが、あまりの規模の大きさや年月をかけて整備されてきている歴史を踏まえると、簡単に取り入れることは難しいのかなというのが実感でした。
また、なぜか鹿児島市内を走っていた市電が2両展示されていました。農場という変化の乏しい場所に、全く関係のない市電を配置する懐の深さを感じさせられました。

フェンスの向こうは水耕栽培ゾーン、その名も「ナッパーランド」です。
水耕栽培でできた野菜は、調理がとってもラクで主婦に大人気。作れば作るほど売れるそうです!!
敷地内にはソーラーパネルが設置され、その電力で冬でも水温を一定に保つことができるそうです。
花の木農場は、大隅の休耕地を環境に配慮しながら活用していました。
そして、消費者のニーズをうまくキャッチした作物が栽培されていると感じました。


いろは会の農福連携WGチームに便乗して南大隅の花の木農場というところへ行ってきました。
社会福祉施設の利用者の受け皿を作るため理事の中村さんが35年前に農業法人を設立しており、茶、養豚のほか、豆腐やジェラートなどの加工、販売等をやっているとのこと。
行政にあれこれ求めるのではなく、むしろ行政から求められるようになるのが目標とのことで、考えてみると地域ビジネスなどでも上手くいっている所にはかなり共通しているなと思いました。


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おわりに


今回のまちあるきは、いつもと趣向の違うものになりましたが、大変有意義な時間を過ごすことができました。

利用者の方と農場内ですれ違いましたが、自身の仕事に誇りを持ち、笑顔で過ごしている姿がとても印象的でした。
農業と福祉の連携については様々な課題があるとは思いますが、そこに携わる方の一人一人が、自分らしく生きられること。 やはり、そこに本位を置いて考えなければならないと、強く思いました。

また、理事長のお話においては、状況を大局的に捉え、情熱を持って行動することの大切さを学びました。畑は違えども、それぞれが仕事に臨むうえで、大きな刺激になったことと思います。

この場を借りて、お礼申し上げます。ありがとうございました。


次回はいつものまちあるきに戻り、鹿児島市街地を探索します。お楽しみに。

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